言語聴覚士パパの奮闘記

1児のパパ兼言語聴覚士が小児療育で頑張っていることを書いています

成人領域から小児領域に転職して感じたこと

成人領域から小児領域に転職して感じたことを書いてみます。

ちなみに私は、病院(急性期と回復期)と訪問リハで数年間働き、今年から小児領域で働き始めたばかりなので、今後印象が変わるかもしれません。

 

リハビリテーションとハビリテーション

ずっと成人相手にリハビリをしてきた私にとって、小児もリハビリだ!という単純な考えがあったのですが、それは誤りでした。

成人領域ではリハビリテーション(rehabilitation)、小児ではハビリテーション(habilitation)という部分で大きく違います。

ハビリテーションは、『先天性障害や幼少時からの障害を対象として持っている機能を生かしてさらに発達させる治療のこと』です。

 

木でイメージしてみます。

リハビリは、木の一部が枯れていてそれらの再生目指します。

 

ハビリテーションは、木全体がまだ育っておらず、少し弱々しい状態で、それをいろいろな方法で元気な木に育つように支援することです。

ですので、困難な部分も含めて発達全体の評価が必要だと考えられます。

 

転職してから感じたこと

診断がついていないため、仮説を立てながら実施する必要がある。

⇒年齢が低いほど、診断がついていない子どもが多いです。「検診で指摘されました」、「言葉が遅いです」との相談がよくあります。そのため、様々な可能性を考慮しながら評価・練習を実施していきます。

 

正常がどのようなのかが曖昧になる。(経験不足)

⇒リハビリでは正常を知らないと異常が分かりません。私自身も大人であるので、正常というものを比較的理解しやすいです。ですが、小児は分かりにくいです・・・。もちろん私の経験不足も大きく関係しています。ですので、保育士さんや自発管の方とも連携しながら評価をするようにしています。(職場にPTOTさんがいたらと思います・・・。)

 

保護者さまへの説明が難しい。

⇒これは成人のときにもありました。家族様の見立てとこちらの見立てにズレがあることがあります。例えば、STから見ると理解がまだまだな印象であるのに、親御さんが表出への関心がかなりあったり、言葉への関心が強いが、その他の基礎的な部分への支援もかなり重要であったりという具合です。わかりやすく、時には図を用いて説明するように心掛けています。

 

座っての練習がかなり難しい。

⇒私の技量不足もかなり影響してると思いますが、10分からよくて20分程度です。興味を引いたり、テンポよくする必要があります。座らずにすることも多いです。

 

練習内容を子供のノリ方で臨機応変に変更していく必要がある

⇒事前に準備していても全く反応が良い時や逆に思ってもみないくらいやる気になってくれたりと読めないことが多々あります。その都度子供に合わせて実施します。

 

評価バッテリーの練習が必要。

⇒成人と小児で使う評価方法がほとんど異なるため、再練習する必要があります。

 

以上、いくつか書いてみましたが、こう見ると働くうえで成人も小児も重なる部分も多いのかなという印象です。

 

一番大切なのは・・・

ラポート形成の大切さ

だと思います。

成人も小児も一緒に練習をしていくうえで信頼関係がないとあらゆる面で困難になってしまいます。成人の時も一つの言動でリハビリ拒否なんてざらにありました。

小児はそこまでシビアではありませんが、やっぱり信頼できる大人に自然と寄ってきてくれます。

私が特に大切にしていることは、

①遊ぶときはその子の世界に入って一緒に全力で遊ぶ

➁話を聞いてほしい(欲しそうな)ときは真剣に聞くに徹すること です。

 

セラピストの皆さんは何を大切にされていますか?

 

お読みいただきありがとうございました。