何度も質問してくるお子さんへの関わり方
「先生、今日は施設に誰が来ている?」
「今何時?」
「この後は何をする?」
「おやつはなに?」
このように、矢継ぎ早に次々と質問をしてくるお子さんがいます。
施設などに勤めている方で、このような経験をされたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
支援者からすると、質問攻めにあっている状態で、キャッチボール的なコミュニケーションからはかけ離れ、疲労感だけが残ってしまうこともあります。
こうした状態を少しでも減らせたらと思い、今日はこの記事を書くことにしました。
目次
・質問とは?
・なぜ質問ばかりするのか
・対応方法
・まとめ
質問とは?
そもそも質問とは、自分の知らない情報や分からないこと、知りたいことを、相手とのコミュニケーションを通して補完し、理解するための行動です。
例えば、「〇〇ちゃんは何歳かな?」という質問をしたとします。
「5歳!」と答えが返ってきた場合、
「じゃあ、幼稚園の年中さんだね!幼稚園は楽しい?」
と、その人に関連した話題へと発展させることができます。
また逆に、お子さんから「先生は何歳?」と質問され、「先生は30歳だよ」と答えることで、相手に自分のことを理解してもらうコミュニケーションにもつながります。
質問をきっかけに、相互理解が深まるやり取りへ発展することは多いのではないでしょうか。
適切に自分を知ってもらうこと、相手を理解することは、家庭や学校、職場など、さまざまな場面で求められます。
そう考えると、「質問する力」は社会で生きていくうえでとても重要な力だと言えます。
また、質問の内容や仕方、そして質問に対する反応も大切です。
初めて会う人に「お名前は?」「何歳ですか?」と聞くのは自然ですが、何度も会っている人に毎回「お名前は?」と聞くことはあまりありません。(聞く場合でも「恐れ入りますが…」などの前置きが必要になります。)
また、状況と全く関係のない質問も適切とは言えません。
例えば、避難訓練の最中に「昨日のご飯、何だった?」と聞くことはないでしょう。
さらに、答えがある程度予測できる質問を必要以上に繰り返すと、「自分で考えてほしいな…」と思われてしまうこともあります。
質問への答え方についても同様です。
答えが冗長すぎると、かえって分かりにくくなります。(政治家に多いでしょうか…?)
「何歳?」
→「私は平成20年5月10日生まれで、今日で〇歳〇か月になりました!」
…このような答え方をする人はほとんどいませんよね。
また、相手の話を待たずに食い気味に答えたり、質問に答えた直後に会話が終了してしまったりと、間やテンポも重要です。
相手に合わせた口調や語彙の選択も含め、質問は相互のやり取りの中で成り立つものだと言えるでしょう。
こうして考えると、質問とはまさに「キャッチボール」の上に成り立つコミュニケーションなのだと感じます。
なぜ質問ばかりしてしまうのか
「質問をたくさんしてしまう」背景には、いくつかの理由が考えられますが、大きく分けると以下のような点が挙げられます。
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注目を得るため
-
他のコミュニケーション手段を知らないため
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イメージする力や他者理解の難しさ
① 注目を得るため
質問の内容や答えそのものにはあまり関心がなく、「質問をすると注目してもらえる」という経験が強化されてきた可能性があります。
「質問したら先生がこちらを向いてくれた」「反応してくれた」という体験が、行動として定着しているのかもしれません。
② 他のコミュニケーション手段を知らないため
一般的な会話では、挨拶から始まり、体調を尋ねたり、最近の出来事を話したりしながら、その中で質問が行き来します。
しかし、こうした「挨拶から世間話へ」という流れを手段として持ち合わせていない場合、会話が一方的な質問の連続になったり、断片的になったりすることがあります。
③ イメージする力・他者理解の難しさ
質問をして、その返答を受け取り、頭の中でイメージを膨らませながら会話を続けていくことは、質問の重要な役割の一つです。
しかし、返答をうまくイメージできない場合、答えが右から左へと流れてしまい、感情表現や追加の質問につながりにくくなります。
また、一方的に質問をされ続けると、受け手は疲れてしまいます。
会話は適度なターンや間を取りながら、相手の表情や視線、声の調子、雰囲気などを無意識に読み取りつつ進んでいくものです。
質問される側が困った表情や雰囲気を出していても、他者理解が難しい場合、それに気づかず質問を続けてしまうことがあります。
こうした要因が重なり、「何度も質問してしまう」という行動につながっていると考えられます。
対応方法
対応方法としては、ルールを決めることや視覚的に分かりやすくすることなどがあります。
例えば、
・今その場に関係のある質問には答える
・全く関係のない内容の質問には答えない
・質問は〇回まで
といったように、あらかじめルールを伝えておく方法です。
注目を引くことが目的で、内容的にも意味のない質問を繰り返す場合には、反応しない(消去する)ことも一つの選択肢になります。
また、質問内容を絵カードや文字で提示し、「まず自分で確認する」仕組みを作るなど、視覚的な支援も有効です。
さらに、注目を求めているお子さんに対しては、1対1で関われる時間を意図的に設けることも大切です。
「見てもらえている」「関わってもらえている」という欲求を満たすことが、結果的に質問行動の減少につながることもあります。
まとめ
今回は、何度も質問してくるお子さんへの関わり方について、簡単にまとめてみました。
質問を「止める」ことが目的ではなく、キャッチボールを意識したやり取りへとつなげていけると良いですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
療育先で「声が出るから大丈夫」と言われたけれどー言語聴覚士の私が考えること
言葉の遅れがあるお子さんを育てている親御さんとお話ししたときのことです。
「声が出ているから、いずれ喋れるようになりますよと言われたのですが、本当ですか?」
と質問されたことがありました。
少し意外に感じた質問だったため、どのような場面でその説明を受けたのかを、もう少
し詳しくお聞きしました。
すると、過去に利用した療育の場で、そのように説明を受けたことがあったとのことでした。
※ここで書いている内容は、特定の職種や支援そのものを否定する意図はなく、あくま
で一つのケースとして感じたことを整理したものです。
そのお話を聞き、私は改めて、専門職として丁寧に整理して説明する必要性を感じました。
目次
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声が出るとは
-
ことばを話すとは
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親御さんへの対応
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まとめ
声が出るとは
「声が出ている」とは、どういう状態を指すのでしょうか。
人は生まれた瞬間に産声をあげます。
あれも立派な発声で、吸った空気を肺から吐き出し、のどにある声帯を震わせることで
音が生じています。
また、息が通る道(のどや口の形)が変化することで、音色も変わります。
生まれてから、いわゆる喃語が出るまでの時期は、泣いたり笑ったりといった発声が中
心で、複雑な口の動きはまだ必要ありません。
つまり、「声が出る」というのは、発達の初期段階で獲得される機能であり、多くの子
どもが自然に身につけるものです。
一方で、発声は見られていても、ことばの獲得に難しさを抱えるお子さんがいるのも事
実です。
そのため、
「発声がある=将来必ずことばが話せるようになる」と、単純に結びつけて考えることは難しいと感じています。
ことばを話すとは
もちろん、発声がなければ音声言語を話すことはできません。
息を出さなければ、声帯を振動させたり、口で音を作ったりすることができないからです。
では、ことばを話すときには、どのような過程が必要なのでしょうか。
簡単に整理してみます。
話したいときには、脳から指令が出て、口を適切な形に整えながら、息が 肺 → のど → 口 の順に通っていきます。
声帯を震わせれば有声音、震わせなければささやき声になります。
さらに、唇を閉じたり、舌を使って弾いたりすることで、さまざまな音が作られます。
この流れを見ていくと、脳の働きがとても重要であることがわかります。
脳からの指令がうまくつながらないと、意図的に話すことは難しくなります。
発達障害における言語発達の遅れは、脳の働き方や発達の仕方が関係していると考えられています。
そのため、適切な評価を行い、関わりや訓練を通して、脳の発達を支えていくことが大切だといえます。
これらの過程を踏まえると、「声が出ているから、自然と話せるようになる」と断定す
ることは、たとえ評価を行っていたとしても、慎重であるべきだと私は考えています。
親御さんへの対応
ここまでの内容からもわかるように、親御さんを安心させたい気持ちだけで、根拠のな
い見通しを伝えることは、結果的に不安を大きくしてしまうこともあります。
評価を通して、ある程度の予後予測(その子がどのように発達していくかの見通し)を
立てることは可能ですが、発達のペースには大きな個人差があります。
また、障害特性や環境の影響も大きく関わってきます。
そのため私は、
-
現在の言語発達の段階
-
その子の強み
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難しさのある点
-
今後どのような関わりが考えられるか
を、日々の関わりや評価、訓練時の反応などを総合して整理し、親御さんにお伝えするようにしています。
「訓練しているから大丈夫です」「全部お任せください」
と断言することはできません。
言語聴覚士ではありますが、あくまで多くいる支援者の一人です。
だからこそ、謙虚な姿勢で、親御さんと一緒に考えていくことを大切にしています。
困っていることが少しでも減ること。
できることが少しでも増えること。
その積み重ねを大切にしながら、日々臨床に向き合っています。
まとめ
今回は、一つの事例をもとに、私自身の考えを書いてみました。
支援の現場では、立場や職種によって見え方が異なることもあります。
その中で、適切な知識と経験をもとに、丁寧な説明ができる支援者が増えることを願っています。
そして私自身も、日々研鑽を重ねながら、情報発信にも引き続き取り組んでいきたいと
感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
言葉の遅れ=言葉だけの問題じゃない理由
この仕事をしていると、
「ことばが遅れていて心配です……」
という相談がいちばん多いです。
もちろん、ことばの遅れは心配になりますし、発語がないお子さんであれば「コミュニケーションが取れるようになるのかな……」
と、将来への不安にもつながりますよね。
実際、1歳半健診や3歳半健診でも、ことばの発達に関する質問や、心理士さんによるスクリーニング検査があります。
「どうにか話せるようになってほしい……」
という一心で相談に来られているのだと思いますし、私自身も専門職として全力でお答えし、支援していきたいと考えています。
ですが今回は、ことばの発達を考えるうえで、実はとても大事な部分があるということをお伝えしたいと思います。
目次
・ことばを理解することと話すこと
・理解するとは?
・話すこととは?
・ことばのビル
・言語聴覚士はあくまでも支援者の一人
・まとめ
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ことばを理解することと話すこと
まず、「ことばを話さない状態」から「話せる状態」までには、どのような段階があるのでしょうか。
大まかに、以下のような状態が考えられます。
① そもそも、ことばを知らない/聞いたことがない
② ことばは知っているが、どんな音で表せばよいかわからない/音として出せない
③ ことばを知っており、音もわかっていて、口を使って表現できる
④ そのことばを深く理解し、相手に説明できる
「りんご」を例にしてみましょう。
机の上に、帽子・コップ・りんごが置いてあるとします。
お母さんが「りんごちょうだい」と伝えました。
① の場合
→ 無反応だったり、別の物を取ったり、ときには全部取ってしまうこともあります。
② の場合
→ りんごを手渡すことはできますが、まねして言うことはありません。
③ の場合
→ りんごを手渡し、「りんご!」とまねして言うことができます。
④ の場合
→ りんごを手渡すだけでなく、
「果物で、赤くて、丸くて、おいしくて……ママがときどきデザートで出してくれるんだ」
といったように、深い理解があります。
※ここでは他の障害特性などは考慮していません。
このように、「話さない」という状態の中にも、さまざまな段階があります。
さらに、自閉スペクトラム症の特性による対人関心の低さや、聴力の問題などが加わると、判断はより難しくなります。
そのため、「ことばを話さない」場合には、まず理解面を丁寧に見ていくこと、そして他に発達へ影響する要因がないかを総合的に確認していく必要があります。
-
理解するとは?
「ことばを理解する」とは、どういうことでしょうか。
たとえば、車を指さして「くるま!」と言えたら、理解していると言えるのでしょうか。
私自身は、そうではないと考えています。
ことばは、あくまでも表現方法のひとつであり、道具に過ぎません。
大切なのは、その「くるま!」にどんな気持ちが乗っているかという部分です。
「くるま!(ママ、見て。ぼくの大好きな車だよ。びゅーんって走って、かっこいい!)」
「ほんとだね。赤くてかっこいい車だね。おうちにも同じ色のトミカがあるよね」
このような情緒的なやりとりがあってこそ、ことばに深みが出てきます。
つまり、車を見て「くるま」と言うだけでなく、
・好きな車がある
・ママと車について話した経験がある
・小さな車のおもちゃを知っている
・速く走ることを知っている
といったように、「くるま」という幹から、たくさんの枝葉が広がっていきます。
これが、ことばを理解するということだと私は考えています。
-
話すこととは?
では、「話すこと」とは何でしょうか。
私はよく、「引き出し」にたとえて説明します。
聞いたり学んだりしたことばは、頭の中の引き出しにしまわれます。
そして話すときに、その引き出しからことばを引っ張り出します。
引き出そうとする力が弱かったり、
どこにしまったかわからなかったり、
間違えて別のことばを取り出してしまったり、
その途中で音が混ざってしまったりすることもあります。
これが、「話すことの難しさ」として表に出てくることがあります。
-
ことばのビル
ここまで、ことばの理解と話す力について見てきました。どちらもとても大切な力です。
では、発達全体の中で、ことばの発達はどこに位置するのでしょうか。
私はよく、「ことばのビル」という図を使って説明しています。

この図を見るとわかるように、ことばの発達はビルの上の方に位置しています。
そこに至るためには、土台となる
・情緒的な関わり
・生活リズム
・よく食べること
・しっかり遊ぶこと
などといった基礎の部分が欠かせません。
つまり、ことばの遅れがある場合でも、それ以外の基礎的な部分を大切にしながら支援していく必要があります。
そして、この基礎の部分は、普段の生活そのものと言っても過言ではありません。
そのため、保護者の方のご協力がとても重要になります。
もちろん、すべてを完璧に行うのは難しいです。
できそうなところから、少しずつ取り組んでいければ十分だと思います。
-
まとめ
今回は、ことばの理解や話すこと、そしてそれ以外の大切な要素について書いてみました。
言語聴覚士は専門職として、ことばの発達を全力で支援していきます。
しかし、それだけでは十分とは言えません。
保護者の方との協力があってこそ、支援は意味を持つと考えています。
言語聴覚士も、あくまでも支援者の一人として、一緒に歩んでいけたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
滑舌(発音)が悪い子ども|構音訓練はいつから必要?
「滑舌(発音)が悪くて心配なんですが、どうしたらいいのでしょうか……?」
このようなご相談を、言語聴覚士(ST)として日々お子さんと関わる中で、時折受けることがあります。
保護者の方にとって、
「様子を見ていていいのか」
「訓練が必要なのか」
判断が難しいテーマですよね。
今回は、滑舌(構音)の発達をどのような視点で考えればよいのかについて、書いてみます。
少しでも参考になればうれしいです。
目次
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結論|滑舌は何を基準に判断する?
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年齢と滑舌(構音)の発達
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構音は段階的に発達する
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未熟構音とは
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言語発達年齢も大切な視点
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構音訓練を考えるときの3つのポイント
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構音訓練はいつ頃からできる?
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構音訓練ではどんなことをする?
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ご家庭でできること・控えたいこと
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まとめ|迷ったときは相談を
結論|滑舌は何を基準に判断する?
結論からいうと、
年齢・言語発達の程度・お子さんの状況を踏まえて、
構音訓練が必要かどうかを検討していきます。
「滑舌が悪い=すぐ訓練が必要」というわけではありません。
以下で、その理由を順番に説明していきます。
年齢と滑舌(構音)の発達
滑舌(構音)は、生まれてから徐々に上手になっていきます。
構音は段階的に発達する
発音の発達は、おおまかに次のような流れです。
-
パ・マなどの簡単な音
- た、かなど破裂する音
-
さ行・ら行などの難しい音
定頸 → 寝返り → 座位 → はいはい → つかまり立ち
といった運動発達なようなものと思っていただいてもよいと思います。
最初から難しい音から先に飛び越えて獲得することは、基本的にありません。
未熟構音とは
発達の過程でみられる発音の誤りを未熟構音といいます。
例えば、
-
でんしゃ → でんちゃ
-
さかな → ちゃかな
といった言い間違いです。
このような未熟構音は、
多くの場合、小学1年生頃(6歳前後)までに自然と整っていきます。
そのため、2〜3歳のお子さんに言いにくい音があっても、
すぐに訓練が必要になるわけではありません。
言語発達年齢も大切な視点
次に見るのが、言語発達年齢です。
言葉全体の発達がゆっくりな場合、
構音の発達もゆっくり進むことが多くなります。
知的障害、自閉症、ダウン症などのあるお子さんでも、
それぞれの特性や言語発達を踏まえながら対応を考えていきます。
※なお、他の障害がなくても構音障害がみられることはあります。
構音訓練を考えるときの3つのポイント
私が実際にお子さんをみる際、特に重視しているのは次の3点です。
-
人や物との関わり方
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言い直しで上手に言えるかどうか
-
座って大まかな指示が聞けるかどうか
構音には「音を聞く力」が重要です。
① 人や物に興味をもって関われていると、
自然と音を聞いたり、まねしたりする機会が増えます。
② 例えば、
子「ちゃかな(さかな)」
母「ほんとだね、さかながいるね」
子「うん、さかないる!」
のように、耳で聞いて修正できるお子さんは、自然に改善することもあります。
③ 構音訓練では、指示を聞きながら口や舌を動かす練習を行います。
そのため、ある程度落ち着いて話を聞ける力も必要になります。
※もちろん、これが難しいお子さんでもできる支援はあります。
構音訓練はいつ頃からできる?
目安として、
**言語発達年齢4歳前後〜**を想定することが多いです。
この頃になると、
-
指示を理解する力
-
課題に取り組む力
が育ってくるため、訓練が進めやすくなります。
構音訓練ではどんなことをする?
お子さんの年齢や発達に応じて、次のような内容を行います。
-
音の聞き分け練習
(例:サイレンを聞いて消防車がわかる) -
口を楽しく動かす遊び
(吹く・舌を動かす など) -
舌の力を入れたり抜いたりする練習
-
音の反復練習
-
1音ずつ意識する練習
(りんごの「り」など)
「厳しい練習」ではなく、遊びの要素を取り入れて進めます。
ご家庭でできること・控えたいこと
ご家庭でできること
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姿勢を意識して、よく噛んで食べる
-
吹く・なめるなど、お口を使った遊び
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体を動かすさまざまな経験を増やす
控えたいこと
-
無理に言い直させること
-
言い間違いを何度も指摘すること
話すこと自体が嫌になってしまっては本末転倒です。
楽しいコミュニケーションを大切にしてください。
まとめ|迷ったときは相談を
滑舌が気になると、不安になるのは自然なことです。
年齢が低い場合は慌てる必要はありませんが、
年齢が上がるにつれて、本人が気にしたり、周囲から指摘されたりする場面も出てくることがあります。
迷ったときは、
お近くの言語聴覚士やST協会に相談してみてください。
適切な評価と支援で、良い方向に進むケースは多くあります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
バイリンガルの子供の言語発達
今回はバイリンガルの子供の言語発達について書いてみようと思います。
バイリンガルとは、「二言語を自由に使いこなす人」を言います。
両親のうちどちらかが外国人のお子さんで、家では英語、教育は日本語などの言語環境で育っている子どもです。
国際化で多くなっている印象にあります。しかし、そうした子どもたちに対する言語発達支援はかなり難しいと考えます。
そこらへんも理由を考えながら書いてみます。
バイリンガルは言語発達が遅れるのか?
親御さんのご相談で、「2か国語だと言語発達に影響したり、どちらも育たないことはありますか?」という質問があります。
結論から言うと「バイリンガルが直接的な要因となって遅れることはない」との研究が散見されています。
もちろん単一言語より2か国語のほうが語彙数、文法構造、音韻認知などが求められることが確実に多くなります。
ですが、子どもが日々、2か国語のある環境に置かれていても、混乱せず、どちらも獲得しながら成長するということです。
しかし、ここでの注意点があります。
それは、極端な環境でないこと、言語発達を遅らせる可能性のある障害がなければの話であることです。
極端な環境とは、言語発達期に海外に移り住みガラッと言語環境を変えたりすることです。
環境要因で一時的に言語の遅れは生じると考えます。
他の障害とは、ASDや知的障害などの元々脳の機能的に困難さがあり、それらによって言語発達遅滞は生じる可能性があるということです。
例えば、子供が2か国語を要求される環境におり、明らかに言語発達が遅れがみられたとき、何らかの障害の特性による影響が大きいと考えます。
そして、状況によってはどちらも遅れてしまい母語が定まらないという可能性もゼロではありません。
これをダブルリミテッドバイリンガルと言います。
バイリンガルの言語発達障害の評価について
評価においては、認知面、運動面、言語面と他に気になることがあれば標準化されたスケールで評価していきます。
しかし、ここで難しいことは、2か国語どちらも評価しなければ、正しい評価は取れないというところです。
例えば、英語はかなり理解しているが、日本語は年齢に比して遅れている子に対して、日本語だけの評価をしてしまうと、もちろん本来の能力よりかなり低く評価してしまいかねません。
ですので、正しい評価をするためには、英語と日本語のどちらも評価する必要があるということです。(日英バイリンガルの場合。)
もちろん、2か国語が中国語と日本語であれば日中の評価という具合になります。
これを聞くと正確な評価はかなり難しいですよね・・・。
(日本でどれくらいのところで対応可能なのでしょうか。)
ですので、家での会話場面の状況を詳しく聞くのも一つ重要だと思います。
あとは、生活での問題行動などもしっかり見ていく必要があります。
対応について
それでも言語が遅れていますと相談に来られることがあります。
まずは、お困りごとを傾聴します。
次に生活上の困りごとを聴取し、その児童の傾向や特性を把握します。
その後に先ほど述べた言語の評価などをお伝えしています。
そして、現在考えられる適切なアプローチを検討・提案していきます。
もちろん私は英語が出来ませんので、英語での評価・アプローチはできません。
もう一つは環境調整が必要と考えます。
先ほど、バイリンガル自体が言語発達遅滞の直接的な原因ではないことを述べましたが、もし脳の機能的に困難さがあるのであれば、言語環境を理解しやすい方に変えていくべきと思います。
具体的には、使う言語を環境や人で統一した方がよいということです。
学校では日本語、家では英語を話す。
母親とは日本語、お父さんとは日本語、友達と先生とは日本語を話す。
もしくは難しいですが、ほとんど日本語or英語だけの環境にする。
などが考えられます。
支援者はむやみやたらに日本語と英語交じりの語り掛けは辞めた方がいいと思われます。
あとは、簡単な語彙を使い、なるべく短い文章でゆっくり話す必要があります。
これは、言語発達遅滞の子どもにもよくしますね。
十分に理解してもらうことを目的としています。
また、自分の気持ちを表現できず、心理的な負荷がかかっている子どもも少なくありません。
なるべく1対1で傾聴してあげる、あなたの気持ちはとてもわかるよと伝えてあげることも大切だと思います。
今後、国際結婚が増えていき、バイリンガルの子供も増えていくと考えます。
母語がない子供は学習からも取り残され、困難な道を歩みます。
STとして、そうした子供たちの力にもなれるよう努力していきたいと思います。
以下の本が一番参考になると思います。
お読みいただきありがとうございました。
声の大きい子供
今回は声が大きい子供について書いてみようと思います。
お子さんの声が大きいなと感じた方も多いのではないでしょうか。
なぜ大きくなるのかを考えてみました。
声が大きくなる場面
子どもの声が大きくなる場面はどのような時が多いでしょうか。
私が見ていると大きく2つに分けられると思います。
①遊んでいるとき、喧嘩、拒否しているときなどの興奮時
➁静かだったのに前触れもなく急に大きな声を出す時
①は想像しやすいですね。
走り回って「あー!」と叫んでいたり、「ダメ!」や「やめて!」を必要以上に大きい声で言います。
部屋中に響きわたるような声で全員がその子に注目するくらいの声量です。
➁は座って何か作業してたり、またはただ座っているとき、車の移動中などに、静かにしているなと思った瞬間叫ぶような場面があります。
これも場面にそぐわない大声なので周囲の人がぎょっとして注目します。
これらはいわゆる「問題行動」の一つに挙げられると思います。
なぜ大声をだすのか
結論から述べますと、2つ理由があると思います。
1つ目は、周囲の注目を集めたいから→適切な言葉を知らない(言語発達遅滞)
2つ目は、聴覚刺激の入力をしたいから
まず「周囲の注目を集めたいから」を考えてみます。
基本的に大声を出すとどのような時でも周囲の人の注目を集めることができます。
そして大声を出すだけなので方法としてはかなり簡単です。
(大声で)○○君!だめ!!!
○○君、そんなに大きい声出してどうしたの!?
これを大声を出さないルートにするとどうでしょうか。
○○君、おもちゃをそんな使い方したらダメだよ
先生、○○君がおもちゃをこうやって遊んでた、だめだよね。
わかった、先生から言っておくね。
もしかしたらこのようになるかもしれません。
見てわかるように現前事象でない非現前事象を伝えるのは、文章も長くなり、高度な言語能力がいります。
そのため、ことばの遅れがあるお子さんは大声という方法を使うこともあります。
そして脳は基本的に省エネで、簡単な方法を選択しようとします。
これを学んだ子どもは他の方法を学ぶまで大声という選択をしやすいかもしれません。
次に「聴覚刺激を入力したいから」です。
感覚統合に困難さがある児童によく生じます。
例えば、ずっと座っていることが難しく、ついもぞもぞ動き始めてしまう児童は、「感覚探求」をしているという一つの理由付けができます。
これは、見てわかる動作なので理解しやすいですが、聴覚にも当てはまるのではないかと思います。
私たちでも心地よい音や特徴のある音を何度も聞いたり、求めたりすることがありますよね。
それに近いものがあり、特に刺激が少ない場面で大声を出すことにより、聴覚を用いた感覚探求をし、精神的な安定を得ようとしているのだと思います。
この時の児童は聴覚過敏の児童にみられる苦痛な表情はみられず、むしろ非常に楽しそうに見えます。(本当に楽しいかはわかりません・・・。)
どのような対応がよいのか
まずはよくないと思う対応は、「子どもと同じレベルで対応してしまう」です。
つまりは、子どもの大声に対して大人も大声で「どうしたの!?」と注目してしまう対応です。
これは、大声を出す→注目を集められるという問題行動に対する報酬が成り立ってしまい、大声が強化されてします。
私は、まず大声を出したらなぜ大声を出したのかを把握するようにします。
次に歩いて近づいていき、まだ大声を出し続けていれば、その場から少し離します。
落ち着くのを待ち、「大丈夫?」と静かに話し始めます。
大声を出したことに対しては殆ど触れません。
ある意味問題行動については「無視」しているといえるかもしれません。
たまに「アリさんの声で話してね!」という職員がいますが、小さい児童に対しては難しいことが多いです。(それで学習する子もいます)
これは、尺度が自分の中にあって初めて成り立つもので、アリさんの声や小さい声と言われても実践しにくいと思います。
それであれば、大人側が静かな声(ほぼ無声化)で話すのがよいと思います。
意外と子どもは小さい声で返してくれることが多いです。
感覚探求されている子どもは他の動的な活動へ転換するように促します。
耳が悪い?
お年寄りだと声が大きくなってきている=加齢性難聴の傾向と言われています。
ということは、子供も難聴のリスクがあるかも・・・?
と思うこともあるのではないでしょうか。
私の経験上、普段の話し方や指示理解、聴性行動、テレビや音楽の音量はどうか、時折、ささやき声で話しかけたりしてみて総合的に考えます。
こういうケースでは今までは難聴と思った児童はいません。
今後、もし難聴を疑う場面があれば、耳鼻咽喉科などの受診を勧めることも必要ですね。
以上のことから声が大きい=難聴と決めつけることはできません。
以上「声が大きい子供」について書いてみました。
お読みいただきありがとうございました。
ADHDの子どもについて思うこと
今回はADHD傾向のあるお子さんについて書いてみようと思います。
ADHD傾向のお子さんは、不注意、衝動性・多動性がみられますが、これも子供によっての差や、他の障害の併存などでことなる部分があります。
ですので、下記のことは全てのお子さんに当てはまるとは必ずしも言えないので参考程度に読んでください。
ADHDと前頭葉機能
成人領域で勤めていたときに、いわゆる前頭葉機能(抑制、遂行、注意、判断、感情コントロール等)に対して評価、訓練、支援を行うことが多々ありました。
いくつか例を挙げると
- 1時間くらい一方的に話し続けてしまう
- 後出しじゃんけんで相手につられてしまう
- 他患者や病棟スタッフと口論になりやすい
- 切り替えが出来ず同じことをし続けてしまう
いずれも普段の生活で意識されていないながらも、これらの機能はかなり重要な機能であるとわかります。
小児ではどうでしょうか。
- 座っていてと伝えられたのにすぐに歩き回るかもぞもぞし続けている
- 人の話を聞いているようで全く聞いておらず、異なる行動をしてしまう
- 友達のおもちゃを「かして」という前に手がでてしまう
- 順序が立てられない
- 忘れ物がかなり多い
この様子から考えると、前頭葉機能における注意や抑制、判断などはADHDの主症
状である、不注意、衝動性・多動性とかなり強く関連している印象にあります。
また、成人と違い、脳の成長途中でありますので、もともと抑制や注意が不安定であるという部分も影響していると思います。
また、岡崎(2011)では、
『ADHDにおいてはこの中で前頭前皮質と脳幹網様体との結合経路の機能不全が生じていると想定されます。』
と述べられています。
これらを考えるとADHDは、前頭葉機能障害と近い部分が多くあり、また、前頭葉機能へのアプローチと同じ部分があるということが推察されます。
ADHDの子どもと接しているとき
○○くん、お菓子準備するから、椅子に座って待っててね
うん!
~数十秒後~
○○ちゃん、待てー!(走り回る)
○○くん、走らない!座って待っててと言ったでしょう!
はーい(あまり聞いていない)
こんな場面がよくあります。
何かの報酬があれば座っていたりすることもありますが、それでももぞもぞしたり、指しゃぶりなどの自己刺激を入れることが多いです。
これを見ると、おそらく何とか頑張って座っていようとされるがための、随伴症状的なものかなと感じます。
私は随伴症状が出た際は無理に止めたりはせず、見て見ぬふりをするようにしています。
少し意地悪い?
こういう場面もみられます。
○○ちゃん、だめだよ!(相手のおもちゃを奪い取る)
えーん!泣
どうしたの?
だって○○ちゃんがダメな遊び方してたんだもん!
先生が言うから大丈夫だよ
少し意地悪さや自分の考えを他者に強要する場面が多くみられ、トラブルになることがあります。
また、貸し借りで先に手が伸びてしまう、「貸して」を言っているが相手が「いいよ」という前に取り上げてしまうなどもみられます。
もちろんADHDでない子もそうした部分がありますが、何度注意しても同じ行動をしてしまう傾向にあります。
そして、そうした行動による他者からの注目が、行動の報酬として機能することもあります。
ADHDに対する支援とは
これらの児童に対して何がいいのかを考えてみます。
先ほども述べたようにおそらく前頭葉機能への認知的なアプローチが必要だと考えます。
(もちろん薬物療法も有効だと思いますが、関与する範囲ではないのでおいておきます。)
昼田(2011)「ADHD のある児童に対する認知リハビリテーション」では、
『薬物療法と併用されることの多い治療の第 2 選択肢はペアレント・トレーニング
やソーシャルスキル・トレーニング(SST),夏期集中治療プログラム(サマーキャンプ)などの行動療法である。』
とあります。
さらに、薬物療法と第2選択肢の方法は限界があるとしたうえで、
『小児期の脳の可塑性(resilience)を考慮すれば,ADHDのある小児に対し,できるだけ早期に適切な認知リハを実施することで,より根治的な改善効果が得られる可能性がある。』
としています。
簡単にいえば、脳の機能そのものが障害されているのだから、脳の機能そのものにアプローチすべきであるという考えです。
簡単な例を挙げると、衝動性には調息法や衝動抑制訓練を実施し、結果では有意に破壊的行動が減り、学業成績が上がったというものもあります。
全て鵜呑みには出来ませんが、実施してみる価値はあると思います。
詳細は論文を参照してください。
(成長とともに軽減するから、適当な療育で叱って強制し周囲の子どもと無理に適応させる指導は論外と思います。療育とは呼びません。)
自尊心の低下と二次的障害
ADHDに限らず発達障害の子どもは怒られ続ける日々を送ることが多いです。
なんで座ってられないの?
なんで意地悪するの?
あなたが悪いのよ、ちゃんとしなさい!
でも、子どもは言われていることが分かっていても勝手にしてしまうもどかしさがあります。
「なんでいつも私だけ怒られるの・・・。頑張っているのに・・・。」
いつの間にか鬱や気分障害、睡眠障害などの2次障害に至ることもあります。
私は周囲の大人がこれを防ぐ義務があると考えます。
出来ていることを褒める。
もし手が出そうになっても出なかったら褒める。
好きな課題をしていて少しでも長く座れていたら褒める。
あなたはあなたのペースで頑張ればよいと伝えてあげる。
それが一番大切だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
岡崎慎治:ADHDへの認知科学的接近,心理学評論,54巻,1号,p.64-72,2011.
昼田源四郎:ADHDのある児童に対する認知リハビリテーション,認知リハビリテーションvol.16,No.1,2011.
Poushaneh, K., Bonab, B.G., Namin, F.H., et al. :Effect of impulse control on increased attention ofchildren with attention ― deficit/hyperactivity disorder. Procedia Social and Behavioral Sciences, 5: 983― 987, 2010.
下ネタを連発する子供の理由と対応
子どもの支援を初めて数カ月が経過しますが、やたらと下ネタを大声で連発する児童がいます。
それを聞いた周囲の人はあまり良い気分ではありません。
この現象が定型児に比べて発達障害の児童に多いのかはわかりません。
今回はそうした言葉が出る理由と対応を考えてみました。
なぜ下ネタを言うのか
まずそうした言葉が出る理由として、
①周囲の注目を引きやすい
➁それに置き換わる言葉がない(言語発達遅滞)
③恥ずかしいこと言っているとの理解が難しい
の3つが考えられるのではないかと思います。
傾向としては男の子が多い印象です。
さらに一つ一つ考えてみます。
①周囲の注目を引きやすい
例えば、
う〇こ!う〇こ!へへへへへ!
○○君!!駄目よ!!そんな言葉言いません!
という場面があったとします。
この時どんな状況であれ、大人が過大に反応し、周囲の人の注目が一気に児童Aに集まります。
この結果が、とてもよくないと考えます。
つまり、児童Aからするとみんなから注目された!かまってもらえた!ということを誤学習してしまったということです。
しかも数文字の言葉を発するのみですので、労力は非常に少なく済みます。
脳みそは基本的には省エネ思考ですので、次からもこの結果を得ようとするために同じ方法を使うでしょう。
➁それに置き換わる言葉がない(言語発達遅滞)
こうした言葉を多く言う児童は、言葉でやりとりして楽しむ段階まで達せていない印象です。
つまりは、相手と会話を広げたり、イメージしたり、比喩やボケ・突っ込みなどが困難である印象です。
何かお話したい、楽しい会話をしたい→でも会話内容がどうしたらいいかわからない、思いつかない→自分は面白いと思う下ネタ言っておこう、反応もいいし。
という具合でしょうか。
こう考えると、何かお話したい気持ちはあるのかなというのはくみ取れますね。
③恥ずかしいこと言っているとの理解が難しい
通常、下ネタもそれ以外の良くない行動も大人に注意されると自制しようとしたりします。
しかし、いわゆる発達障害のお子さんはその循環に至らないことが多いです。
おそらくですが、それを言っている自分を客観視するのが難しいのではないかなと思います。
周りと違うことをしているな、怒られたな、皆も大人も喜んでいないなという部分に気が付きにくいのかもしれません。
親の顔などをみて行動するのは『社会的参照』と言いますがその部分の弱さがあるんですかね。
これは、日本人が得意な空気を読む部分にかかわるので大切な機能と言えます。
どう対応するか
まずは、下ネタを言ったときはすぐに反応せずに数秒置いて静かに言わない方がよい理由を説明してみます。
ここで大きな声で過剰に反応するとそれが成功報酬となる可能性があります。
う〇こ!う〇こ!
○○君!!駄目よ!!そんな言葉は使いません!!
へへへへ、う〇こ!う〇こ!
これは最悪のパターンと思います。
まずは、数秒タイムアウトしてから違う遊びや発散できる運動を促します。
この対応でまず様子を見ます。
改善しないようであれば、次にそうした言動をすれば無視します。
そしてさりげなく他の話題に移ります。
この話題はその児童の興味がある話題だとノッてきやすいです。
ノッて来た後は、その子のわかりやすい言葉を使いながら話題を広げてあげる、会話を楽しむ練習にさりげなく入ります。
ちょっとした会話練習のようなものですかね。
最後に
以上、私の考えをつらつら書いてみました。
理由の部分はただの感想に過ぎないので違うかもしれません。
ですが、いろいろ考えてみることにより対応の幅が広がり、質も上がると思うので大切なことかなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
自閉症の子どもの支援
自閉症のお子さんと関わるのは、成人領域で勤めてきた私にとっては学生の実習の時以来となります。
ですので、臨床で困っていることや感じたことを中心にアウトプットしてみます。
結論から言うと、練習が結構難しいです。
当たり前ですが、自閉症とはいってもその子の性格や他の障害の併存や環境などで臨床像が全く異なります。
自らコミュニケーションをしてくる子もいれば、かなり働き掛けないとやり取りに繋がらない子もいます。
多くのお子さんは、なんらかのこだわりが強いため、やりとり途中でも癇癪に繋がってしまうこともあります。
一人一人をよく観察しながら介入するように心掛けています。
強化子は何か?
これは発達障害のお子さん全般に言えることかもしれないですが、お子さんが何か出来たときに褒める(音声言語)、ハイタッチ、よしよしなどの効果がかなり薄い印象があります。
いい行動をした、練習ができたから誉める→うれしいな、もっとやろう!というサイクルが生まれにくいです。
時には、褒め方も配慮しないと嫌子になりかねません。
私の勤めているところであったのは、頭よしよしが感覚過敏があり使えないというものでした。
もし知らずに頭よしよししていたら逆効果になっていたに違いありません。
そのため、親御さんとのアセスメントで必ず好きな遊びと嫌いな遊び、家での余暇の過ごし方を念入りに伺うようにしています。
車遊びが好きといっても、手で走らせるのが好きなのか、一列に並べるのが好きなのか、タイヤのくるくるが好きなのか、ぶつけるのが好きなのかなど様々です。
こちらの意図している練習が出来たらすかさず好きなおもちゃで好きな遊び方を提示するように心掛けています。
「あ」の発声しかないお子さん
表出が「あ」しかなく、要求は指さしやクレーン、時折アイコンタクトのお子さんがいました。理解は年齢相応か少し遅れのある程度でした。
発声発語器官の評価をして、器質的に問題がなかったため、音の分化を目標とし、口腔の模倣を中心に実施しました。
始めて3週間程度ですが、模倣の回数が明らかに増加し、視線もセラピストの口形に向くようになってきています。
「あ」から続く、視覚的にわかりやすい両唇音を組み合わせて行いました。
鏡を見ることが嫌い?
成人領域では、口の運動の際に視覚的フィードバックをいれるため、鏡を見せながら実施することが度々ありました。
小児でもこれは有効であると考えたため、時折鏡を用いますが、じーっと見続ける子と拒否する子の両極端な印象です。
私であれば、見たり視線を外したりすると思いますが、これはなにか理由があるのですかね。
走りまわる子ども
走りまわる子どもへの練習も難しいです。
私は、その子供の好きなおもちゃをちらっと見せてアイコンタクトと要求を促して介入開始しています。
ノッてきたらおもちゃを見えるけれど少し届かない棚の上に置き、再度要求するかをみて、ゆっくり手渡す際に音声言語と物のマッチングを促しています。
この際はなるべく単語のみを伝えています。
時折、音声模倣されることがあり、できた際はすかさず強化するようにしています。
走り回る子どもは感覚探求されている可能性があるため、先に感覚を入れてあげた方がよいとの方法もありますね。
親御さんの想い
私は音声言語がなかなか出ないASDのお子さんに対してサインを勧めたいと考えています。
視覚的支援も有効ですが、準備の大変さと利用のしにくさを考えるとサインが一番楽な印象です。
やってみると意外と難しくないです。子供はすぐ覚えます。
しかし、親御さんのなかには、「サインを覚えさせると言葉がもっとでにくくなるのではないか」という考えのかたもいらっしゃるようです。
私は、無理にとはいいませんが、サインをきっかけとしてより音声言語を促すツールになると伝えるようにしています。
サインを使用することにより音声言語が遅れるということはなく、むしろ促されるという研究結果もあるくらいです。
今ではなく、より過ごしやすい未来を見据えて取り組む方がよいと私は考えます。
以上、つらつらと駄文でしたが、つぶやいてみました。
ご一読いただきありがとうございました。
病院での仕事~急性期~
今回は以前勤めていた急性期病棟での一日を書いてみようと思います。
皆さんのところはどうですかね
1日の流れ
7:30 出勤し、溜まっている書類作業、1日のリハスケジュールを決める
8:30 朝礼
8:50 リハビリ開始
12:00 昼食ラウンド(食事介助、嚥下評価)
14:00 うまくいけば昼食、食事介助に時間がかかるとリハビリ介入開始
16:30 終わっていればカルテ記載、申し送りなど
17:15 退勤時間だが、定時上がりはほぼ不可能
18:30 退勤
だいたいこんな感じでした。
もちろんイレギュラーがあると朝に立てたスケジュールは吹っ飛びます。泣
また、途中おむつ交換や急な検査などもザラです。
目標は22単位以上で、先輩方は無茶苦茶回っていました。
新人だとこれにミーティングの書記や症例検討会、実習生の指導なども加わります。
STのデメリット?
1日のスケジュールからもわかる通り、自分の昼食時間はありませんでした。
これはSTのデメリット?ですかね・・・。
PT、OTさんは食事介助は無く、談笑しながらゆっくりご飯を召し上がっていました。
それがめちゃくちゃ羨ましかったのを覚えています。
辞めていく新人
私が勤めていたところは県内でも噂のあるくらい忙しい職場だったらしいです。汗
なんども心が折れかけましたが、なんとか粘りました。
人間関係は比較的良好であり、特に心強い同期がいてくれたことが大きかったです。
ですが、新しく入ってくる新人は1年足らずで辞めていく人が多かったです。
(PT、OTの新人は比較的続いていました。)
STはまだ求人がありますし、急性期でなくとも働ける場所はたくさんあるので、辞めることは無理して働くよりもいい選択ではないかと思います。
一番つらかったこと
急性期ですので、中には良くならず亡くなられる方もいらっしゃいました。
STとして何とかしてあげたいという一心で介入をし、先輩方の助言も頂きながら進めますが難しい場合もあります。
今でもあの時こうした方がよかったかなと、ふと思うことがあります。
急性期病棟を経験して、私にできることは、死ぬ気で勉強してたくさん臨床経験を積み、困っている人に還元することだと感じました。
STなのにコミュ障
急性期病棟は特に医師や看護師、その他コメディカルとの連携が重要です。
特に看護師さんとのやり取りは気合がいりました。
コミュ障で内気な私はいつも話すことを考えてから声掛けするようにしていました。
看護師長さんに気に入ってもらえるとかなり心強いですが、逆だと・・・、です。
今となってはそれで心が鍛えられたような気がします。
今回は急性期病棟のでのリハビリをざっくり書いてみました。
また、思い出したら書いてみようと思います。
お読みいただきありがとうございました。
成人領域から小児領域に転職して感じたこと
成人領域から小児領域に転職して感じたことを書いてみます。
ちなみに私は、病院(急性期と回復期)と訪問リハで数年間働き、今年から小児領域で働き始めたばかりなので、今後印象が変わるかもしれません。
リハビリテーションとハビリテーション
ずっと成人相手にリハビリをしてきた私にとって、小児もリハビリだ!という単純な考えがあったのですが、それは誤りでした。
成人領域ではリハビリテーション(rehabilitation)、小児ではハビリテーション(habilitation)という部分で大きく違います。
ハビリテーションは、『先天性障害や幼少時からの障害を対象として持っている機能を生かしてさらに発達させる治療のこと』です。
木でイメージしてみます。
リハビリは、木の一部が枯れていてそれらの再生目指します。

ハビリテーションは、木全体がまだ育っておらず、少し弱々しい状態で、それをいろいろな方法で元気な木に育つように支援することです。

ですので、困難な部分も含めて発達全体の評価が必要だと考えられます。
転職してから感じたこと
診断がついていないため、仮説を立てながら実施する必要がある。
⇒年齢が低いほど、診断がついていない子どもが多いです。「検診で指摘されました」、「言葉が遅いです」との相談がよくあります。そのため、様々な可能性を考慮しながら評価・練習を実施していきます。
正常がどのようなのかが曖昧になる。(経験不足)
⇒リハビリでは正常を知らないと異常が分かりません。私自身も大人であるので、正常というものを比較的理解しやすいです。ですが、小児は分かりにくいです・・・。もちろん私の経験不足も大きく関係しています。ですので、保育士さんや自発管の方とも連携しながら評価をするようにしています。(職場にPTOTさんがいたらと思います・・・。)
保護者さまへの説明が難しい。
⇒これは成人のときにもありました。家族様の見立てとこちらの見立てにズレがあることがあります。例えば、STから見ると理解がまだまだな印象であるのに、親御さんが表出への関心がかなりあったり、言葉への関心が強いが、その他の基礎的な部分への支援もかなり重要であったりという具合です。わかりやすく、時には図を用いて説明するように心掛けています。
座っての練習がかなり難しい。
⇒私の技量不足もかなり影響してると思いますが、10分からよくて20分程度です。興味を引いたり、テンポよくする必要があります。座らずにすることも多いです。
練習内容を子供のノリ方で臨機応変に変更していく必要がある
⇒事前に準備していても全く反応が良い時や逆に思ってもみないくらいやる気になってくれたりと読めないことが多々あります。その都度子供に合わせて実施します。
評価バッテリーの練習が必要。
⇒成人と小児で使う評価方法がほとんど異なるため、再練習する必要があります。
以上、いくつか書いてみましたが、こう見ると働くうえで成人も小児も重なる部分も多いのかなという印象です。
一番大切なのは・・・
ラポート形成の大切さ
だと思います。
成人も小児も一緒に練習をしていくうえで信頼関係がないとあらゆる面で困難になってしまいます。成人の時も一つの言動でリハビリ拒否なんてざらにありました。
小児はそこまでシビアではありませんが、やっぱり信頼できる大人に自然と寄ってきてくれます。
私が特に大切にしていることは、
①遊ぶときはその子の世界に入って一緒に全力で遊ぶ
➁話を聞いてほしい(欲しそうな)ときは真剣に聞くに徹すること です。
セラピストの皆さんは何を大切にされていますか?
お読みいただきありがとうございました。
